2013年1月31日木曜日
京都で響く♪ その④
その④ 『六波羅蜜寺』
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)は平安時代に空也が建てたお寺として有名です。
女神の弁天様を祭った祭殿もあり、朱色の華やかな建物に目がいきます♪
お寺に神様がいるのも京都では良く見かけ、狭い敷地に混沌した風景を浮だたせます☆
このお寺にある重要文化財の彫刻で有名なのが『空也上人像』です。
旅の目的のひとつは『京都の歴史にふれて、ロックを体感する』ことですが、
この彫刻を見た瞬間にロックを感じたのです☆
1メートルくらいの高さの空也上人の木像は、
口から6体の小さい仏像を出し、目は白眼を向いて、首から太鼓をぶらさげていました。
実にこっけいなのです♪
多分笑ってもいいのではないか?と確信させる風貌です☆
彼の偉業は、疫病が蔓延する当時の京都住民のために、
より実践的で伝わりやすい念仏を広めたことでした♪
『踊り念仏』は彼が考案したと言われています。
なんて『ポップ』な思想でしょう☆
ベートーベンが上流階級に反発し、大衆へと音楽を広めようとした試みや、
ロックンロールが中毒のように広がった50年代のプレスリーを思い出させます♪
6体の小さな仏像は、『南無阿弥陀仏』の6つの文字を意味し、
諸行に起こる5つの欲を6つの徳で解消させるテクニックをも含んでいるとのことです。
太鼓をたたき、これを唱え、踊り渡ったのでしょう♪
本当に伝えたいことがあるのならば、
より多くの人たちに聴かせたいと願うのは自然だと考えています。
私はこのことを『ポップ』と表現しています☆
『音楽』はその目的が『ポップ』であることだと思っています。
モーツアルトやビートルズも『ポップ』で成功していると考えています♪
六波羅蜜寺は鎌倉時代に念仏の弾圧を受け、
お経をサンスクリット語(仏教伝来の原語)で唱えるようになり、
密かに修行していったことが現在にも至っています。
また、12年に一度しか開帳しない『十一面観音立像』という秘仏もあります。
これら『ポップ』に反する伝統の名残が『ポップ』な意識を教養してくれます☆
空也上人の思想は、彫刻にも表現されているのでしょう♪
苦行修行をし、奥義を極めた人だからこそできることなのかもしれません☆
私の考える『Rock』がここにあります♪
2013年1月17日木曜日
京都で響く♪ その③
有名な『石庭』を見ようと思い、龍安寺へ行ったときのお話です。
『The Rock Garden』
これは、『石庭』を英語に訳した言葉です♪
京都は国際的観光地でもありますので、あらゆる場所に英語が登場してきます。
龍安寺(りょうあんじ)は、釈迦如来を奉った禅宗のお寺です。
『古都京都の文化財』として世界遺産にも登録されているため、外国人の観光客が特に多い場所でもあります。
その庭は奥行きが10mほどで幅が20mくらいの枯山水に、15の大小の石が無秩序に並べてあるのです。
その姿を見るだけでも十分美しく、接した方丈の間に静かに座りそれを見つめる観光客が印象的でもあります。
しかし、この15の石は同時に見ることができないのです☆
庭の創作者の表現意図として、完成された数字『15』(十五夜の満月を完成とする東洋の思想)に対し、
何か不完全なものを感じるように表現したとされています。
方丈の間に座り、石庭を眺めることで、自らに問いかけ、その答えを導く様が伺えます♪
まさに禅宗、『静』の文化を感じさせます☆
私がここを訪れたときに、真っ先に目に入ったのは、その『The Rock Garden』という文字でした。
特に『Rock』という文字に『音』を感じたからです☆
何か、特別な気付きを期待せずにはいられませんでした♪
石庭を静かに見つめる人たちを気遣いながら、縁側を端から端まで往復しました。
『本当に14しか見えないのか・・・・・』
時には、視線を低くし、また背伸びをしたりしました。
『たしかに、見えないかもしれない・・・』
そこで、気付いたことがありました☆
この庭の設計者に私は動かされている・・・と。
設計者は何を意図したにせよ、私が動いた『Rock(揺れる)』ことには変わりないのです♪
時代を超えて、人を動かせることに感動したのです☆
英語の『Rock』は自然の石や岩を意味し、『Stone』は人工的な石を意味することをこの旅の後で学びました。
音楽の『Rock』の由来は『揺り動かす』から始まったと言われています。
石庭の『石』と音楽の『Rock』が同じ響きを持つからこそ、私が動いたのかもしれません☆
『The Rock Garden』にも特別な意味が加わりました♪
禅という『静』の現場で人々の心を揺り動かし、何世紀をも超え問いかけ、
そして現在も人々を揺り動かせている・・・
なんてかっこいいのであろうか?
そんな仕事をして行きたいと思いました♪
2013年1月6日日曜日
京都で響く♪ その②
京都を訪れるときに必ず行く場所があります。
『清水寺』は、初日の一番最初に訪れる場所です♪
そこは私の感情の物差しになっているからです☆
京都市内を見渡せる音羽山に壮観に立つ、日本でも有数の観音霊場のお寺として世界遺産にもなっている場所です。
私にとっては特別な解釈があります♪
隣接する『高台寺』は秀吉の正室である北政所(ねね)が建立したと聞きました。
上品な庭に中低木が植えられ、広い敷地は平坦で歩きやすく、威圧感のない女性らしさを感じることができます。
『高台寺』の素晴らしさは『清水寺』と対象的であることだと思っています☆
『清水寺』は、力士像が構える仁王門をくぐって階段や坂を登らないと本堂に到着しません。
そこには、京都タワーや本願寺を見渡せる舞台があります。
太い柱で支えられた清水の舞台は、下から見上げても圧巻です。
清水寺の二つの舞台からは、えぐり取られたような崖の下に院内の散策道を見降ろすこともできます。
まさに男性的なお寺に思えるのです☆
なぜここにあるのか?という問いかけが、私なりの答えを導いています。
ロケーションがこの上ない場所であるので、特に答えを導く必要はないはずでした。
『音羽山』に『観音霊場』がある・・・
この中に『音』が二つ入っているのです☆
『音』に興味を引く私にとっては大切なメッセージでもあります♪
発祥は『清水寺』の小さな入館チケットの裏に書かれていました。
音羽山の音羽の滝に祈願することから始まったとのことです。
実際その滝は細く、ひしゃくですくえる程の量ですが、
その昔は、細い滝の音が響き、その24時間変わることのない姿が、人々の無常を刺激したのかもしれません。
『音』は心地よく響いたのでしょう☆
この水を求め、沢山のペットボトルを自転車で抱え、朝5時過ぎの開門前に並ぶ人々を見たこともあります。
小さな滝が、荘厳なお寺を創り出し、多くの人々に魅了されていることがとても素敵に感じます♪
清水の舞台には、日本漢字協会が発表する『今年の漢字』が年末に飾られています。
一年の終わりに訪れる意味に付加価値をも付けてくれます。
毎年、新しい気付きが『清水寺』にあります☆
ある年は、柱の太さが違って見えました。
私が大きくなったのか?とも思いました☆
一昨年は、『道』というキーワードを得ました♪
また昨年は、『登』というキーワードを得ました♪
今年は、『金』という世相漢字が、私自身の文字と一致しました♪
『清水寺』は、私の感情の物差しでもあります☆
2012年12月20日木曜日
京都で響く♪ その①
音楽の神様『乾闥婆(けんだつば)』
毎年の暮れに京都を訪れることにしています♪
子供のころ大阪に住んでいましたので、京都は学校の社会見学でよく行く機会がありました。
教科書に載っている神社仏閣を訪れることは、勉強の対象でもあったのであまり良い印象ではなかったのです。
今は『音』を感じることを目的に旅をして、多くの気付きを京都が与えてくれています☆
年末に行く理由は、混雑を避ける意味もあるのですが、
一年を振り返り、また次の年の目標を決める時期として相応しいと思って続けています♪
私にとってのいままでの京都の印象は、
日本の古典を守り、時代の文化に触れることができる、
というようなことでしたが、今では少し違うように見えています。
京都には古いお寺や神社が同じように並んでいるように思えたのですが、
それぞれが興味深い特徴を持っていることに気付いたのです☆
その時代の新しい文化を花咲かせた建物からは、輸入された文化の影響を多く見ることができると感じたのです。
日本の古典というよりは、シルクロード等の終点として国際色豊かな都市に思えてきたのです♪
特に『音』にこだわって関心を寄せても、多くの気付きがあります☆
帝釈天(たいしゃくてん)や阿修羅(あしゅら)と同じ仏教の8神守護者に、
『音楽』の神様である乾闥婆(けんだつば)という神様がいます。
多くのお寺で木像を見ることができますが、
インドからの直輸入の彼の姿は、大きなピアスを開け、タトゥーを入れ、険しい表情で構えています。
仏様とは程遠いイメージの彼は、香を食べて生きていると言われています。
一方、観音菩薩(かんのんぼさつ)にも『音』の字が使われています。
インドでの語源は『広く、自在に見ることができる』ということらしいのですが、
中国を経て、『観音』という風に解釈されたということです。
すべての人の話声を聴くことができるという意味らしいです。
例え、声に出さなくても、考えるだけでその周波数が聴こえ、『音』となり、観音菩薩に響くそうです♪
『音』には重要な意味があることを教えてくれます☆
私の京都の旅はこのような観察で始まっていきました♪
2012年12月8日土曜日
脳に響く音とは♪ その⑦
『聞きなし』
googleは、キジバトの聞きなしだと言います♪
『聞きなし』とは、動物の鳴き声を覚えやすくするために、人間の言葉に置き換えたものです。
ウグイスの『ホーホケキョ』やホトトギスの『トッキョトカキョク』は有名ですね☆
当然、国によっても聞きなしは異なります♪
犬の『ワンワン』は英語で『バウバウ』だったりします。
ツバメは『土食って,泥食って、しぶーい(ツチクッテ ドロクッテ シブーイ)』
センダイムシクイは『焼酎いっぱいぐいー(ショウチュウイッパイグイーッ)』
覚えやすいものは、笑えるものが多いようです♪
秋の夜長には、昆虫たちが求愛のため草むらでさえずります♪
コオロギは『キリキリキリキリ』
スズムシは『リンリンリン』
クツワムシは『ガチャガチャ』
ウマオイは『スイッチョン』
キリギリスは『チョンギース』
すべてオスの愛の歌です☆
人間の耳には無理やり?そのように聞こえるらしいのですが、
虫たちはこの音をしっかりと聞きとります♪
虫の音(ね)は電話の電波に乗らないと言われています。
周波数の高い音は、人間の会話を伝えるために必要ではないからです☆
子供の耳は、高い周波数を聴き分けます。
『モスキート音』と言われる、カの羽ばたき音の周波数は、子供にとって嫌な音になります。
これを用いて、万引き防止をしているお店もあるそうです♪
マツムシは『チンチロリン』といわれますが、
『チッチリン』とも鳴きます♪
子供達には、『ピッピリン』と聞こえるようです。
秋の夜長に鳴く虫は、人間にとって心地よい音にしか響きません♪
彼らが聞くと、警戒音やなわばり主張の音のように、心地悪い音にもなるときがあるのでしょう。
求愛の歌はまた、優しく響き、伝わるのでしょう♪
夏のセミもオスの愛の歌です♪
オスは危険の察知からラブソングまで、その声を響かせ・・・
メスは危険の察知からラブソングまで、その耳を澄まします☆
2012年11月25日日曜日
脳に響く音とは♪ その⑥
バレエ『白鳥の湖』のお話です♪
『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』と共に3大バレエと言われています。
チャイコフスキーはバレエのためにこの楽曲を創りました。
ダンスのために作曲することは、音楽本来の目的であると私は思っています☆
バレエから多く刺激を受けています♪
ダンスと音楽、視覚と聴覚、で聴く舞台音楽は、脳で音楽を聴いているということがよくわかります☆
脳で聴く音楽には可能性があります♪
私たちは妄想を抱き、可能性を信じ、想像することができます。
進化した人間の脳がそのように働くからでしょう♪
『白鳥の湖』は演目が有名なだけに、バレエを代表する見どころが沢山あります。
音楽では、オーボエがソロで主旋律を吹く『情景』(第2幕・第10曲等)を聴いたことがない人はいないでしょう。
演出では、性格が異なるオデット(白鳥)とオディール(黒鳥)を同じバレリーナが演じることに話題が集まります。
振り付けでは、黒鳥の32回転スピン(フェッテ)が高い技術レベルが要求されていると言われています。
舞台を見る前の私は、少なからずこのような知識から脳が妄想を抱き、期待感を創りました♪
また、映画『ブラック・スワン』をバレエを見るために鑑賞しました♪
ここでは、舞台セットや衣装、メイクの素晴らしさにも可能性を感じたのです☆
さらに王子が黒鳥に誤って告白し、それに気付いた絶望の瞬間の演技・演出にも期待感を感じました♪
どのように舞台では演出されるのか楽しみでした。
東京バレエ団の『白鳥の湖』は圧巻でした♪
バレエには、歌詞や台詞がありません。
音楽で、情景や状況を創り出します。
それ故、想像力が働き、舞台に集中できるような気がしたのです☆
『情景』の有名な旋律は、異なるパートで数回演奏されていましたが、
白鳥を黒鳥に変身させた悪魔が登場する時に流れる音楽でした。
『悪魔』の情景・状況を表現していたのですが、これ以上にない素晴らしい楽曲だと感じました♪
幕間開け後に、音楽なしで王子が登場し、ステップを踏んで2,3の動きがあった後で大きくジャンプする場面では、
舞台に着地した瞬間、指揮棒が動き、音楽が始まりました。
このようなシーンが何回かあることに気付き、
指揮者はダンサーをも見て『音』をコントロールしていることが分かりました♪
カーテンコールでは、王子、白鳥の両主役と振付師が登場して挨拶をするのですが、今回は指揮者も加わり、
舞台を演出した4人の主役に拍手が集まりました。
『脳』で聴く『音楽』には、大きな可能性を感じます☆
私は、『白鳥の湖』を観て、バレエの創作曲を創ることに決めました♪
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前回、クラシックバレエ『ドンキホーテ』にインスパイアされて創作した、だっぷ☆サウンドです♪
プロローグを含む6幕の世界観を、ロックでイマジネイトした作品となります。
第1幕第2場 『strong wind has risen』 をYoutubeにて試聴できます♪
2012年11月15日木曜日
脳に響く音とは♪ その⑤
ローマ神話の曙の女神アウロラは、知性の光、創造性の光を放っていると言われています♪
太陽神ヘリオスの先陣を切って天を渡っているさまは、
極地で見られるオーロラの由来となったことがよくわかります☆
オーロラは「太陽風」と呼ばれるプラズマ粒子の流れが地球磁場と緩衝して、
大気中の粒子と衝突するときに輝くとされています。
その光は、酸素や窒素の高いエネルギーによって色が決まるそうです♪
美しい自然の壮大なエネルギーをいつか現地で感じてみたいです☆
このオーロラには音 (auroral sound) があると言われています♪
多くの人が同時に聞いたこともあれば、隣同士にいて一方にしか聞こえなかったこともあるらしいのです。
また、強いオーロラが出ても何も聞こえないこともあるとのことです。
多くの体験者はこの音がその眼に見えるオーロラの動きと同調して変化すると主張していて
そのことが、観察や録音等の研究によって確認されています。
オーロラが網膜の広い範囲を同期して刺激することで視覚情報が聴覚へと漏れだす
共感覚的現象ではないかとも言われています☆
金星や木星、土星でもオーロラ現象は見られるそうです。
地球と違う大気の中でも、オーロラは響き渡ります♪
オーロラ音楽は、空気を通じることなく、聴覚へと刺激を運び『音』を伝えます☆
耳には聴こえない『音』が脳を揺らし、『音』を伝えるのでしょう♪
『音楽』には可聴範囲で聴こえる『音』を超えたメッセージがここにもあると思っています♪
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