DAP ~dream air produce~
2013年6月23日日曜日
京都で響く♪ その⑦
このブログは、音楽プロデューサーだっぷ☆ が、自然科学から学んだ音の気付きを綴っています♪
■延暦寺■
京都大原の三千院の近くにある『音無しの滝』のお話を以前させていただきました♪
『響く音の自然科学♪ その①』
修行僧が滝に向かって声明の練習をしていたら、
ある瞬間、滝の音が消えたと言われています♪
滝の音と、声明の音が打ち消し合い、聞こえなくなる言い伝えです。
この名勝は、古代中国の仏教音楽の発祥地である魚山に景色が似ているという理由で
親しまれてきたそうです。
宇宙のすべてのものは周波数(波の性質)を持っているので、すべて波の法則に従うことになります♪
互いに打ち消し合って聴こえなくなる『音』の性質は『干渉』と呼ばれる法則に従います☆
宇宙科学の世界では、原子より小さいレベルでの干渉が確認されていて、
宇宙の始まりには、物質と反物質が打ち消し合うことでエネルギーが生まれたと言われています。
打ち消し合うので、見ることはできませんが『質量(エネルギー)』が存在し、
宇宙を創ったと言われます☆
その一方では、同じ周波数を持つけど、打ち消し合わずにエネルギーが響き渡って移動する法則があります。
これを『共鳴』と言います。
楽器の音叉(おんさ)は440Hzの周波数を持ち、これを鳴らすことで同じ周波数を持つ弦楽器等は共鳴して
音が伝わります♪
比叡山の延暦寺は、平安時代に最澄が開いた天台宗の本山寺院です。
唐で密教の修行をした最澄は、22歳の時にこの地を訪れ、神木と語り彫刻をしたと言われています。
京都は唐の長安を手本に計画された都市であり、風水では北東にある比叡山に鬼門があるとされていたのも、
この地を訪れた理由でしょう☆
東洋思想の風水も、陰陽との関係にあると言われています。
『陰』の場所には『陽』の物を置くことで、互いに打ち消し合う考え方は、自然科学そのものです☆
人間の中にある共通意識がマインドとなって共鳴し、大きなエネルギーとなり『陰陽』を創り出すのでしょう♪
また、鬼門に創られた『陰』に延暦寺を建てることで干渉するのでしょう☆
お堂では、『不滅(きえず)の法灯(ともしび)』が最澄の時代から続いていて、静かな空間を創り出しています。
暗く掘り込んだお堂の内部は、その全体が見えないほどに明かりが灯されています。
『一隅を照らす』という教えがここにあります♪
互いに打ち消し合ったエネルギーは、響くことなく静かに存在することを教えてくれます☆
打ち消し合った周波数は、存在を隠しますが、エネルギーはここにあり、
そして人はそれに共鳴して引き寄せられるのかもしれません☆
仏陀の言い伝えが延暦寺に書かれていました♪
妖艶な魔女が仏陀に近づき、口説こうとしたとき、
仏陀は彼女たちに説法をして老婆にさせた、というお話です。
『陰陽』の打ち消し合う様がここにも表れています♪
2013年3月27日水曜日
京都で響く♪ その⑥
■渉成園(しょうせいいん)■
『渉成園(しょうせいいん)』は東本願寺の離れ庭ともいわれ、京都駅近くにある庭園です。
入園料を払うと、とても立派なパンフレットがもらえます♪
まるで写真集のようなそのパンフレットは、どれだけこの庭園が美しいのかを語ってくれます。
四季折々の低木が静かに並び、しばらく進むと砂利を踏む音が心地よく響きます♪
意図的に狭くなっているその道で、砂利の音を楽しみながら通り抜けると、
地面はやわらかい芝生に変わります。
音がやわらかく消えたので視線を上げると、奇麗な芝の緑に囲まれている大きな池の風景を見ることができます☆
■等持院(とうじいん)■
同じような事を等持院でも体験しました。
『等持院(とうじいん)』は藤原家代々の墓を納めた場所で、室町禅宗のお寺の一つです。
建物の外周部の廊下の一部は、京都のお寺でしばしば見かける『うぐいす床』になっています。
人が床の板の上を歩く事で、きしみ音が鳴る様につくられたこの床は、うぐいすのような鳴き声に聴こえます♪
侵入者の防犯のために考案された技術は、現代でも組み立てることが難しいとされています。
床を歩くと鳴くうぐいすの声が美しく、その音を楽しみながら通り抜けます。
廊下の先端で音が消えると、美しい蓮池が目に入ります☆
この池は漢字のこころ『心』の形に創られ、『心字池』と呼ばれています。
禅宗の自己を追求する想いがここに表れています♪
これらに共通するのは、道を歩くことで音の響きを自分で創り出し、
その心地よい音は、集中力を高め、
そして音が切れる瞬間に、解放された空間が目に入るということです♪
当時の庭師や大工は『音』を効果的に使って集中力を高める技術を知っていたのでしょう☆
嵯峨野の仏野(あだしの)の散策道では竹に囲まれた細い道が続いています。
穏やかな風が吹くだけで、葉のこすり合う音が華麗で美しく、その先にある念仏寺へと導いてくれます♪
繊細で上品なこれらの『音』は、存在感を大きく出すことなく響くのでしょう♪
『音』は集中力を高め、自分に問いかけるチャンスを与えてくれます☆
これもまた、京都で学んだことです♪
2013年3月2日土曜日
京都で響く♪ その⑤
新幹線で三島由紀夫の小説を読みながら京都に向かいました。
タイトルは『金閣寺』でした♪
金閣寺を訪れたことは何回かありますが、
『Rock』を感じるために特別な思いで訪れるのは初めてでした。
鹿苑寺(ろくおんじ)と呼ばれるこのお寺は、
足利義満が建立した室町時代の北山文化を代表する建築です。
古都京都の文化財として世界遺産にも登録されています。
1986年に大改修を行っていて、金色の建物の存在感は当時の華やかさを伝えます☆
『金』は宇宙でもっとも永遠に変化しない金属のひとつです♪
美しく輝く姿は、お寺というよりも装飾品のようです☆
当時は京都でロックスターのように輝いていたことでしょう♪
有名な観光地なので、混雑をさけようと思い開門と同時に拝観したのですが、
予想以上の人の多さにびっくりしました。
拝観ルートが決められて、池に映る『さかさ金閣』を立ち止まって見ることも難しいくらいでした。
ガイドの声が響き、カメラを構えるスペースもなく、
自分のペースで歩くことすらできない状態でした。
まさにロックスターの存在です☆
三層構造の建物は、一層ごとにその建築様式が異なります。
一層目が『寝殿造』、二層目は『武家造』、三層目が『仏殿風』となっていて、
混沌としたコスモポリタンな文化の調和は、ローマのコロッセウムを思い出させます。
優雅や栄華の象徴は、嫉妬や執着の対象にもなったでしょう☆
小説の『金閣寺』は事実を背景にして書かれたことを知っていました。
意思や感情の表現にコンプレックスを感じていた金閣寺の住職の養賢は、
あまりにも美しい『金閣寺』を完ぺきな理想の美として執着していました。
それゆえ、気持ちが嫉妬に変わり放火、自殺をしてしまいます。
昭和25年に焼けてしまった後、再建された金閣寺の内部を拝観することができなくなりました。
応仁の乱でも焼き払われた『ロックスター』は、いつの時代も執着と嫉妬の標的でした。
『金閣寺』はとても美しく、訪れた人は誰でもその姿に魅了されるに違いありません♪
大切に守られて管理され、華やかさを今に伝えるロックスター・・・
私の目指すものとは、すこし違う気がしました♪
2013年1月31日木曜日
京都で響く♪ その④
その④ 『六波羅蜜寺』
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)は平安時代に空也が建てたお寺として有名です。
女神の弁天様を祭った祭殿もあり、朱色の華やかな建物に目がいきます♪
お寺に神様がいるのも京都では良く見かけ、狭い敷地に混沌した風景を浮だたせます☆
このお寺にある重要文化財の彫刻で有名なのが『空也上人像』です。
旅の目的のひとつは『京都の歴史にふれて、ロックを体感する』ことですが、
この彫刻を見た瞬間にロックを感じたのです☆
1メートルくらいの高さの空也上人の木像は、
口から6体の小さい仏像を出し、目は白眼を向いて、首から太鼓をぶらさげていました。
実にこっけいなのです♪
多分笑ってもいいのではないか?と確信させる風貌です☆
彼の偉業は、疫病が蔓延する当時の京都住民のために、
より実践的で伝わりやすい念仏を広めたことでした♪
『踊り念仏』は彼が考案したと言われています。
なんて『ポップ』な思想でしょう☆
ベートーベンが上流階級に反発し、大衆へと音楽を広めようとした試みや、
ロックンロールが中毒のように広がった50年代のプレスリーを思い出させます♪
6体の小さな仏像は、『南無阿弥陀仏』の6つの文字を意味し、
諸行に起こる5つの欲を6つの徳で解消させるテクニックをも含んでいるとのことです。
太鼓をたたき、これを唱え、踊り渡ったのでしょう♪
本当に伝えたいことがあるのならば、
より多くの人たちに聴かせたいと願うのは自然だと考えています。
私はこのことを『ポップ』と表現しています☆
『音楽』はその目的が『ポップ』であることだと思っています。
モーツアルトやビートルズも『ポップ』で成功していると考えています♪
六波羅蜜寺は鎌倉時代に念仏の弾圧を受け、
お経をサンスクリット語(仏教伝来の原語)で唱えるようになり、
密かに修行していったことが現在にも至っています。
また、12年に一度しか開帳しない『十一面観音立像』という秘仏もあります。
これら『ポップ』に反する伝統の名残が『ポップ』な意識を教養してくれます☆
空也上人の思想は、彫刻にも表現されているのでしょう♪
苦行修行をし、奥義を極めた人だからこそできることなのかもしれません☆
私の考える『Rock』がここにあります♪
2013年1月17日木曜日
京都で響く♪ その③
有名な『石庭』を見ようと思い、龍安寺へ行ったときのお話です。
『The Rock Garden』
これは、『石庭』を英語に訳した言葉です♪
京都は国際的観光地でもありますので、あらゆる場所に英語が登場してきます。
龍安寺(りょうあんじ)は、釈迦如来を奉った禅宗のお寺です。
『古都京都の文化財』として世界遺産にも登録されているため、外国人の観光客が特に多い場所でもあります。
その庭は奥行きが10mほどで幅が20mくらいの枯山水に、15の大小の石が無秩序に並べてあるのです。
その姿を見るだけでも十分美しく、接した方丈の間に静かに座りそれを見つめる観光客が印象的でもあります。
しかし、この15の石は同時に見ることができないのです☆
庭の創作者の表現意図として、完成された数字『15』(十五夜の満月を完成とする東洋の思想)に対し、
何か不完全なものを感じるように表現したとされています。
方丈の間に座り、石庭を眺めることで、自らに問いかけ、その答えを導く様が伺えます♪
まさに禅宗、『静』の文化を感じさせます☆
私がここを訪れたときに、真っ先に目に入ったのは、その『The Rock Garden』という文字でした。
特に『Rock』という文字に『音』を感じたからです☆
何か、特別な気付きを期待せずにはいられませんでした♪
石庭を静かに見つめる人たちを気遣いながら、縁側を端から端まで往復しました。
『本当に14しか見えないのか・・・・・』
時には、視線を低くし、また背伸びをしたりしました。
『たしかに、見えないかもしれない・・・』
そこで、気付いたことがありました☆
この庭の設計者に私は動かされている・・・と。
設計者は何を意図したにせよ、私が動いた『Rock(揺れる)』ことには変わりないのです♪
時代を超えて、人を動かせることに感動したのです☆
英語の『Rock』は自然の石や岩を意味し、『Stone』は人工的な石を意味することをこの旅の後で学びました。
音楽の『Rock』の由来は『揺り動かす』から始まったと言われています。
石庭の『石』と音楽の『Rock』が同じ響きを持つからこそ、私が動いたのかもしれません☆
『The Rock Garden』にも特別な意味が加わりました♪
禅という『静』の現場で人々の心を揺り動かし、何世紀をも超え問いかけ、
そして現在も人々を揺り動かせている・・・
なんてかっこいいのであろうか?
そんな仕事をして行きたいと思いました♪
2013年1月6日日曜日
京都で響く♪ その②
京都を訪れるときに必ず行く場所があります。
『清水寺』は、初日の一番最初に訪れる場所です♪
そこは私の感情の物差しになっているからです☆
京都市内を見渡せる音羽山に壮観に立つ、日本でも有数の観音霊場のお寺として世界遺産にもなっている場所です。
私にとっては特別な解釈があります♪
隣接する『高台寺』は秀吉の正室である北政所(ねね)が建立したと聞きました。
上品な庭に中低木が植えられ、広い敷地は平坦で歩きやすく、威圧感のない女性らしさを感じることができます。
『高台寺』の素晴らしさは『清水寺』と対象的であることだと思っています☆
『清水寺』は、力士像が構える仁王門をくぐって階段や坂を登らないと本堂に到着しません。
そこには、京都タワーや本願寺を見渡せる舞台があります。
太い柱で支えられた清水の舞台は、下から見上げても圧巻です。
清水寺の二つの舞台からは、えぐり取られたような崖の下に院内の散策道を見降ろすこともできます。
まさに男性的なお寺に思えるのです☆
なぜここにあるのか?という問いかけが、私なりの答えを導いています。
ロケーションがこの上ない場所であるので、特に答えを導く必要はないはずでした。
『音羽山』に『観音霊場』がある・・・
この中に『音』が二つ入っているのです☆
『音』に興味を引く私にとっては大切なメッセージでもあります♪
発祥は『清水寺』の小さな入館チケットの裏に書かれていました。
音羽山の音羽の滝に祈願することから始まったとのことです。
実際その滝は細く、ひしゃくですくえる程の量ですが、
その昔は、細い滝の音が響き、その24時間変わることのない姿が、人々の無常を刺激したのかもしれません。
『音』は心地よく響いたのでしょう☆
この水を求め、沢山のペットボトルを自転車で抱え、朝5時過ぎの開門前に並ぶ人々を見たこともあります。
小さな滝が、荘厳なお寺を創り出し、多くの人々に魅了されていることがとても素敵に感じます♪
清水の舞台には、日本漢字協会が発表する『今年の漢字』が年末に飾られています。
一年の終わりに訪れる意味に付加価値をも付けてくれます。
毎年、新しい気付きが『清水寺』にあります☆
ある年は、柱の太さが違って見えました。
私が大きくなったのか?とも思いました☆
一昨年は、『道』というキーワードを得ました♪
また昨年は、『登』というキーワードを得ました♪
今年は、『金』という世相漢字が、私自身の文字と一致しました♪
『清水寺』は、私の感情の物差しでもあります☆
2012年12月20日木曜日
京都で響く♪ その①
音楽の神様『乾闥婆(けんだつば)』
毎年の暮れに京都を訪れることにしています♪
子供のころ大阪に住んでいましたので、京都は学校の社会見学でよく行く機会がありました。
教科書に載っている神社仏閣を訪れることは、勉強の対象でもあったのであまり良い印象ではなかったのです。
今は『音』を感じることを目的に旅をして、多くの気付きを京都が与えてくれています☆
年末に行く理由は、混雑を避ける意味もあるのですが、
一年を振り返り、また次の年の目標を決める時期として相応しいと思って続けています♪
私にとってのいままでの京都の印象は、
日本の古典を守り、時代の文化に触れることができる、
というようなことでしたが、今では少し違うように見えています。
京都には古いお寺や神社が同じように並んでいるように思えたのですが、
それぞれが興味深い特徴を持っていることに気付いたのです☆
その時代の新しい文化を花咲かせた建物からは、輸入された文化の影響を多く見ることができると感じたのです。
日本の古典というよりは、シルクロード等の終点として国際色豊かな都市に思えてきたのです♪
特に『音』にこだわって関心を寄せても、多くの気付きがあります☆
帝釈天(たいしゃくてん)や阿修羅(あしゅら)と同じ仏教の8神守護者に、
『音楽』の神様である乾闥婆(けんだつば)という神様がいます。
多くのお寺で木像を見ることができますが、
インドからの直輸入の彼の姿は、大きなピアスを開け、タトゥーを入れ、険しい表情で構えています。
仏様とは程遠いイメージの彼は、香を食べて生きていると言われています。
一方、観音菩薩(かんのんぼさつ)にも『音』の字が使われています。
インドでの語源は『広く、自在に見ることができる』ということらしいのですが、
中国を経て、『観音』という風に解釈されたということです。
すべての人の話声を聴くことができるという意味らしいです。
例え、声に出さなくても、考えるだけでその周波数が聴こえ、『音』となり、観音菩薩に響くそうです♪
『音』には重要な意味があることを教えてくれます☆
私の京都の旅はこのような観察で始まっていきました♪
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