2013年3月27日水曜日

京都で響く♪ その⑥


















■渉成園(しょうせいいん)■


『渉成園(しょうせいいん)』は東本願寺の離れ庭ともいわれ、京都駅近くにある庭園です。

入園料を払うと、とても立派なパンフレットがもらえます♪


まるで写真集のようなそのパンフレットは、どれだけこの庭園が美しいのかを語ってくれます。

四季折々の低木が静かに並び、しばらく進むと砂利を踏む音が心地よく響きます♪

意図的に狭くなっているその道で、砂利の音を楽しみながら通り抜けると、

地面はやわらかい芝生に変わります。


音がやわらかく消えたので視線を上げると、奇麗な芝の緑に囲まれている大きな池の風景を見ることができます☆




















■等持院(とうじいん)■



同じような事を等持院でも体験しました。

『等持院(とうじいん)』は藤原家代々の墓を納めた場所で、室町禅宗のお寺の一つです。

建物の外周部の廊下の一部は、京都のお寺でしばしば見かける『うぐいす床』になっています。

人が床の板の上を歩く事で、きしみ音が鳴る様につくられたこの床は、うぐいすのような鳴き声に聴こえます♪

侵入者の防犯のために考案された技術は、現代でも組み立てることが難しいとされています。



床を歩くと鳴くうぐいすの声が美しく、その音を楽しみながら通り抜けます。

廊下の先端で音が消えると、美しい蓮池が目に入ります☆

この池は漢字のこころ『心』の形に創られ、『心字池』と呼ばれています。

禅宗の自己を追求する想いがここに表れています♪





















これらに共通するのは、道を歩くことで音の響きを自分で創り出し、

その心地よい音は、集中力を高め、

そして音が切れる瞬間に、解放された空間が目に入るということです♪


当時の庭師や大工は『音』を効果的に使って集中力を高める技術を知っていたのでしょう☆




嵯峨野の仏野(あだしの)の散策道では竹に囲まれた細い道が続いています。

穏やかな風が吹くだけで、葉のこすり合う音が華麗で美しく、その先にある念仏寺へと導いてくれます♪


繊細で上品なこれらの『音』は、存在感を大きく出すことなく響くのでしょう♪

『音』は集中力を高め、自分に問いかけるチャンスを与えてくれます☆



これもまた、京都で学んだことです♪

2013年3月2日土曜日

京都で響く♪ その⑤


















新幹線で三島由紀夫の小説を読みながら京都に向かいました。

タイトルは『金閣寺』でした♪



金閣寺を訪れたことは何回かありますが、

『Rock』を感じるために特別な思いで訪れるのは初めてでした。

鹿苑寺(ろくおんじ)と呼ばれるこのお寺は、

足利義満が建立した室町時代の北山文化を代表する建築です。

古都京都の文化財として世界遺産にも登録されています。

1986年に大改修を行っていて、金色の建物の存在感は当時の華やかさを伝えます☆


『金』は宇宙でもっとも永遠に変化しない金属のひとつです♪

美しく輝く姿は、お寺というよりも装飾品のようです☆

当時は京都でロックスターのように輝いていたことでしょう♪




有名な観光地なので、混雑をさけようと思い開門と同時に拝観したのですが、

予想以上の人の多さにびっくりしました。

拝観ルートが決められて、池に映る『さかさ金閣』を立ち止まって見ることも難しいくらいでした。

ガイドの声が響き、カメラを構えるスペースもなく、

自分のペースで歩くことすらできない状態でした。

まさにロックスターの存在です☆





三層構造の建物は、一層ごとにその建築様式が異なります。

一層目が『寝殿造』、二層目は『武家造』、三層目が『仏殿風』となっていて、

混沌としたコスモポリタンな文化の調和は、ローマのコロッセウムを思い出させます。

優雅や栄華の象徴は、嫉妬や執着の対象にもなったでしょう☆




小説の『金閣寺』は事実を背景にして書かれたことを知っていました。

意思や感情の表現にコンプレックスを感じていた金閣寺の住職の養賢は、

あまりにも美しい『金閣寺』を完ぺきな理想の美として執着していました。

それゆえ、気持ちが嫉妬に変わり放火、自殺をしてしまいます。



昭和25年に焼けてしまった後、再建された金閣寺の内部を拝観することができなくなりました。

応仁の乱でも焼き払われた『ロックスター』は、いつの時代も執着と嫉妬の標的でした。




『金閣寺』はとても美しく、訪れた人は誰でもその姿に魅了されるに違いありません♪



大切に守られて管理され、華やかさを今に伝えるロックスター・・・




私の目指すものとは、すこし違う気がしました♪